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2009年06月20日

死ぬ気で恋愛してみないか

書き始めて見直したら、長すぎる・・・・

なので、興味のある方、どうぞ読んでください。


日付が変わってしまいましたが、昨日2009年6月19日は太宰治の生誕100年の桜桃忌でした。

太宰文学を語れるほど読んでいない私ですが、「斜陽」と「晩年」「人間失格」は読んだ記憶があります。

もちろん「走れメロス」もね。

数年前にNHK連続テレビ小説「純情きらり」の西島英俊さんが演じていた杉冬吾役は、太宰治がモデルだったそうです。

ご覧になっていた方、ご存知でしたか?

津軽弁丸出しの青年画家がいましたよね?彼は太宰治をモデルにしていたんですね。

寺嶋しのぶ演じる笛子と結婚して子どもを授かったりしていました。

あのドラマの原案になった本の作者は太宰治の次女、津島佑子

その津島佑子が1歳の時、太宰は入水し、自殺を図りました。



一緒に入水したのは山崎富栄

昨日の新聞、いくつか目を通したけど、太宰の入水死については書かれていても、たったのひと言、「山崎富栄」の名前は出てこないのですよね。

彼女は、太宰を道連れに死んだと言われるように、悪女として知られていた所がありました。

まぁ、クローズアップされるのはどうしても太宰自身のことですから仕方ありませんけど…。


太宰が亡くなった日は、太宰の誕生日でもありました。

そして、死を共にした山崎富栄の命日でもあります。

・・・覚書として、書いておきたいと思います。

作品上に残ってはいないけど、太宰治が口にした言葉。

死ぬ気で恋愛してみないか

この言葉は、その死を共にした富栄に投げかけた言葉でした。


しかし、その言葉の前に行われたのが、

太田治子誕生の認知だったそうです。

ちょっと待って!太田って誰よ?

実は愛人であった女性がほかにもいたんですね。それが太田静子

「斜陽」のモデルとされる太田静子との間に生まれた女児が、太田治子、その人でした。

「斜陽」を書くまでに、この太田静子から題材となる日記の提供を受けていたそうです。

そして、治子を出産。

認知の証明書を書いた時に同席していた山崎富栄もまた、愛人だったそうです。


ライバル出現の両者。

修羅場ですね。

でも、当時の女たちは強かったのでしょうか。

耐えています。


女の世界は怖いです。

・・・って、私もオンナですが。


しかし、男・太宰治の言葉も恐ろしいです。


彼は富栄にこういい続けます。

死ぬ気で恋愛してみないか

死ぬ時は一緒だ


本妻がいて子どもが3人いる。愛人は子どもを生み、もう一人の愛人には

死を覚悟させる言葉をささやく・・・・・・・


現代の女の人なら、太宰を悪魔、と思うかもしれません。

私なら、確実に引っかかりたくないタイプの男に分類しちゃいます。(今なら。若い時なら…?今よりは“純”でしょうね。)



しかし、

富栄は入水し、共に死ねることを喜びだと捉えていたようです。

ライバルの出現によりジェラシーがあったかもしれません。

最後の最後に自分がお供できるのですから。

女として生き女として死にたい

こんな言葉が遺書にあったそうです。

ですが、彼女の遺体は太宰とは別のところに置かれ、見つかった時は茣蓙がかけられていただけだったそうで、

その傍らで彼女の父親が、忘れられた人のように立ち尽くしていたそうです。

亡くなった富栄は父が死ぬまで、ただの一度も何の弔いも受けることは出来なかったようです。



しかしここで、忘れてならないのが、妻の津島美知子です。

何より「彼の弱さ」を見抜いていたのは妻の美知子だったのかもしれません。

彼女は、1冊の本を1978年に発刊しています。

回想の太宰治

死ぬ気で恋愛してみないか

実はまだ読んでいませんが、一番身近にいた「夫人」がどのように夫を見ていたのか、気になります。

とても的確に彼を観察しているようで、一部で反響を呼んでおり、私もいつか読んでおこうと思う一冊です。

「憶病なナルシスト」とか「自己中心の愛し方」など批判でも批評でもないのに品格のある語りだそうで…。

こうやって考えてみると、文士を支える人々には、「妻」や「愛人」がいて、情念が生きざまに交錯しています。


長くなってしまいましたけど、

妻・津島美知子、愛人の太田静子と山崎富栄

この3人の存在がいかに彼を支え、彼の作品の表現上で知りえないことをもっと知りたいと思いました。

私もそんな人として弱い太宰治が好きなのかも知れない。

私なら、病に倒れた彼を看取ることこそが、本当の愛だと信じたいなぁ・・・。

彼より先に逝かない。悲しませない。

残された者の苦しみを受け入れられてこそ、「死ぬ気で恋愛」が完結出来ると思ったりします。



人は、弱い生きものですね。



行ったことのない所ですが、青森に行きたくなりました。。。


タグ :太宰治

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Posted by ゆっち at 23:42 │Books
この記事へのコメント
こんばんは。
青森。。。
なかなか暇がないといけませんねえ。
ラジオの人って、お休み続けてとれるんですか?
Posted by たみ家たみ家 at 2009年06月21日 02:30
たみ家さん

おはようございます。
コメント書いてくださってありがとうございます!
青森は、一緒にラジオでお仕事している人にも、行きたいってよくおっしゃっている人がいます。時間がないといけませんねぇ・・・

お休みですか。とれますよ。
ただし、休むとその分準備して行かないといけない事もあるので
正直言って休まず続けている方がいいと思ってしまいます。
例えば1週間、というようにまとまった休みは7年間とったことがありません。
私の場合、水曜・木曜・金曜(たまに日曜も)が生放送の日なので、土曜~火曜は休みにすることもできますので、そこで対応が出来ています。
ご商売や農作物を作られている方はもっとお休みをとりにくいのではないかと思いますので、ありがたいもんです。
Posted by ゆっち at 2009年06月21日 08:11
この時代の作家・芸術家の生き方は、もうむちゃくちゃだと聞いたことがあります。

知れば知るほど驚かされることばかりですよ。
Posted by セバ at 2009年06月22日 12:53
セバさま

読んでくださってありがとうございます。
そうですよね。
なんだかなぁ・・・ってことがよくありますね。
今なら訴えられそうですね。。。
私ならひっかかりたくないです。
by 紅緒
Posted by ゆっちゆっち at 2009年06月22日 13:03

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